みんなでつなぐ

でんきをつくり、届ける

一般社団法人 大磯エネシフト

「3万人のまちからエネルギーシフト」
~持続可能な社会をめざす大磯エネシフトの取り組み~

きっかけは3・11

海と山、自然に恵まれた湘南の小さなまち大磯でも、3・11直後から原子力に依存しない社会への転換を願い、町民有志が動きだしました。勉強会や上映会、節電教室、そして町へPPS(新電力)への転換を求める陳情(採択され約400万円の経費削減)など、地域で取り組みを続けてきた私たちは、2013年12月に一般社団法人大磯エネシフトを設立、翌年4月には町内のマンションオーナーのご厚意で、屋上に第1号となる15kwの太陽光発電所を始めることができました。

2015年1月には、カトリック大磯教会の庭に2号発電所を開設、売電益の一部を福島の子どもたちの継続的な支援にあてることにしました。おひさまから生まれた電気が、原発事故で傷ついた子どもたちの支援につながるとともに、3・11を忘れず、持続可能な社会への転換を願うシンボルになる「みんなの発電所」の誕生です。
どちらも緊急時には、地域の方に非常用電源としてつかってもらうこともできます。大磯エネシフトを立ち上げたのは男女合わせて11人。年齢層も30代から70代までと幅広く、生きてきた時間も過ごしてきた環境もさまざまですが、目標をともにする同志です。大学教授、町会議員、自営業者、3児の母、サラリーマン、主婦や主夫など多様なメンバーそれぞれが、得意なことを持ち寄り、力を合わせ歩みだしました。月2回定例会を開き、年に数回の講演会上映会の実施、見学受け入れ、パネル周りの緑化などを行なっています。今後の取り組みとして、おひさまの光を作物と分け合うソーラーシェアリングの普及を目指しています。

私たちの選択が未来を変える

福島原発事故では15万人が故郷を追われ、地域社会の何もかもが奪われました。行き場のない膨大な核のゴミは今なお増え続けています。1986年チェルノブイリ事故後、ドイツのシェーナウ市民が、10年の歳月をかけてつくった市民電力会社が、いまや15万世帯の電気をまかなっています。このシェーナウ電力の代表であるスラーデックさんは2016年3月に設立された「ふくしま自然エネルギー基金」のアドバイザーとして、日本の私たちに力強いメッセージを届けてくれました。
(エネシフト HP参照)

日本の市民・地域共同発電所は2015年に800基以上になりネットワークもさらに広がっています。そして、この4月からの電力自由化にともなって大磯エネシフトは発電した電気の売電先を生活クラブエナジーに変更しました。メンバーの半数以上が組合員であること、そして何より環境にやさしい電気の共同購入をめざす生活クラブの新たな挑戦にメンバー全員が深く共感したからです。
ドイツの小さな町シェーナウのように、湘南の小さな町からもエネルギーシフトの波を起こしたいと思いながら活動している私たちとつながっていただけたらうれしく思います。

一般社団法人大磯エネシフト
理事一同