みんなでつなぐ

でんきをつくり、届ける

生活クラブ京都エル・コープ東センター太陽光発電所「ありがとSUN」

 
2011年3月11日の東日本大震災を契機とした福島第一原発事故については、近くに「原発銀座」を抱えている京都という地で活動する生協としては、不安がいっぱいでした。情報も少ない。わからないことも多い。とにかく学習活動を重ねました。原発について、そして放射能について、食品の放射能汚染の数値をどう考えて、どう判断していけばいいのか。福井県の原発から100㎞圏内でほぼ京都市全域がはいります。

なにより私たちの大切な水源のびわ湖が汚染されてしまいます。おおぜいの組合員が参加して原発の無い社会をめざしていく取組みを考え、実践していくために、脱原発委員会を2012年に立ち上げました。総代会では、脱原発宣言も採択しました。

いたずらに不安がるのではなく、私たちのこれまでの暮らし方を見直し、変えていこう。その一つとして原発に依存しないエネルギーの事も考えていこうと話す中で、2014年、京都市山科区の東センターに太陽光パネルを設置できないか、という話が持ち上がりました。屋根の経年劣化もあったのですが、補強工事も実施したうえでの設置を理事会で決定した後、さっそく脱原発委員会では、呼びかけるためのパンフレット作りを始めました。

資金づくりについては、原発による電気はいやだという想いの組合員が、おおぜい参加して実現できるように、組合員特別増資を募ることにしました。太陽光発電の容量は32kw。建設費用はおよそ1200万円です。そのうち500万円が特別増資の募集額です。今までに経験のない取り組み。500万円も集まるだろうか?そんな不安を吹き飛ばすために、脱原発委員会では各支部から参加してもらって太陽光パネル設置活動が盛り上がるように「パネルあげ隊」チームを立ち上げました。太陽光発電所記念タオルの作成でデザインを公募したり、「太陽光パネルあげ隊まつり」を開催したり、「シェーナウの想い」上映会を企画したりで、とにかくおおぜいの組合員に関心を持ってもらう取組みを知恵と工夫を持ち寄りながら活動をつづけました。

 

 

そんな取組みの甲斐あって、663名の組合員の特別増資によって目標を上回る5210口521万円を集めることができました。発電所の名称も組合員公募し、「ありがとSUN」に決定しました。関西では「ありがとうございます」を親しい人には「ありがとさん」と言います。「太陽の恩恵に感謝」という意味を込めた名前が私たちの発電所の名前になりました。2014年10月18日には点灯式が行われ、組合員の脱原発社会を願う想いがいっぱいつまった発電所の稼働をみんなで喜び合いました。

 

 

以降、計画を上回る実績で発電を続けています。2016年には電気の共同購入が始まって、生活クラブエナジーに売電先を切り替えて、自然エネルギーを自分たちで作って、自分たちで使うしくみができたことは、この上ない喜びでした。電気の共同購入の取組みでは残念ながら目標380件には届きませんでしたが344件と健闘することができました。2017年度は関西の生活クラブ6単協で小水力発電の実現を目指して、私たちの脱原発社会の実現という想いをカタチにしていきたいと思います。